2012年5月1日火曜日

高齢者で中長期にお薬を服用するときに注意すべきこと




薬の副作用には予測不可能な類もあるが 多くは類型化されたものが多い。
いずれも体にとって不都合な 不愉快なもので、多くは自覚症状でわかるが、
中にはポイントを定めて、検査をしてはじめてわかるものも少なくない。


代表的副作用 リスト

1.循環器系
      徐脈  :脈がゆっくり過ぎる(40以下)
低血圧 :血圧が低すぎる(最高が90以下)
       心 不全 :心臓の働きがにぶって血液が循環しないので浮腫、胸水がたまる  
   不整脈  :脈が乱れる

2.血液
顆粒球減少:白血球のうち細菌と戦う成分が減る(700以下) 血小板減少:血を止める血小板が7万以下になる
その結果出血傾向が出て血を止めるはたらきが鈍って皮下出血や鼻血がでる

3.神経系
健忘症 : ぼーとして物忘れ状態
錐体外路症状:体体の動きがぎごちなく なる
錯乱 : 正常以上に取り乱す
幻覚:実際にはいない虫や小動物が見えたり、 他の 人には聞こえない音や
              話し声が聞こえる

4.消化器系
潰瘍  : 口内炎や胃潰瘍
嘔吐  : わるいものを 食べていなにの吐く
腹痛   :   多くは胃、大腸

5.代謝系
低血糖:血液中のブドウ糖の濃度が80以下になる
代謝性アシドーシス:酸アルカリのバランスが崩れて酸性に傾く

6.皮膚
湿疹  : 多くは小さな紅斑でかゆい
じんましん:大小さまざまな皮膚の膨らみやかゆい

これらをきたす 薬 の種類は多く、ほとんどの薬は副作用を持つといってよく
原則として薬はできるだけ少なく 短期間に限ることが望ましいが、


高血圧、高脂血症、糖尿病、痛風、リウマチ、不整脈、甲状腺、慢性胃炎、
肝炎、腎炎、膠原病、脳疾患後遺症、種々の変性疾患、慢性気管支炎、喘息
などの慢性疾患の治療にはやむを得ず多種類の薬剤をしかも長期に用いねばなら
ないことが多いので、用いる薬の代謝(解毒化、無毒化)にかかわる肝臓、腎臓、
などの状態を定期的に調べておく必要があります。


2012年1月1日日曜日

2012/1/1 号

新年明けましておめでとうございます。
新たなホームページです。
これから しばらくお薬に関することを書きます
医療の第一の勤めは、
患者様に害を加えないことだと思っています。
診断の結果、自力だけで是正することが難しいとか
手助けが必要な状況と判断したら
お薬を提供することになります。
年を経るごとに合併症も多くなり、薬も多種多様になり、効果は勿論のこと、
それ自体の副作用やら飲み合わせによる影響も出て複雑になって行きます。
それで医師として私の責任はもちろん負いますが、皆様方も出来るだけ
薬効やら副作用の症状や成り立ちを知るように勤めて下さい。
そんな想いで今までの経験やら文献を参考にして書いて行きます

1。薬の代謝
薬は抗生物質のように注射で直接血液に入る以外は だいたい口から飲み込んで(中には口腔内の粘膜から直接に吸収されるものもありますが)胃で薬を包んでいる膜がむかれて、小腸から吸収され、門脈という血管を通って肝臓に送られ、薬効が出るかたちに変化をうけて全身に送り出されます。
何巡か身体を巡った後肝臓で解毒化され、そのまま胆汁に混じって便中に出たり、肝臓で水溶性になり腎臓から尿として出て行きます。
肝臓ではチトクロームP450 という薬物代謝酵素で代謝を受ける訳です。
肝臓の重量は体重の約2.5%程度ですが、90歳では体重の1.6%に低下します。それだけ代謝能が低下します。
また腎臓でも加齢によりネフロン数や腎血流量が低下して行きます、90歳になると20歳の時に比べてその機能は25~50%も減少します。
ですから加齢により、服用した薬の血中濃度は上昇します。例えば睡眠薬のハルシオンは約2倍の血中濃度になり、ふらつきやめまいが出やすくなるということです。個々の薬剤については直接お聞きください。